限られた予算の中でもさまざまな工夫によって理想の住まいは実現します。今回ご紹介する芦田成人建築設計事務所が手掛けたこちらの住まいも総工費2000万円以下のローコスト住宅。敷地面積50坪弱、延床面積30坪強の広さで、夫婦+こども3人、計5人のための住まいです。コンパクトながら無駄のない空間の使い方で居心地の良い住まいが実現しています。では早速見て行きましょう。
平面をシンプルな形状にまとめるのはローコスト住宅では重要なこと。それによって施工に必要なマテリアルも最小限に抑えることができるからです。こちらの住まいでも箱型の無駄のないシンプルな形状が採用されています。ナチュラルで落ち着いた色の外壁に片持ち式の梁で受けたバルコニーとテラスが印象的な和モダンな外観です。
リビングからダイニングを望んだ様子です。テラスおよび庭に面して大きな開口が設けられ、たっぷり陽光の入る明るく開放的な空間となっています。木目の美しい杉のフローリング、梁の見える天井等、ふんだんに用いられた木素材がナチュラルであたたかみのある空間を演出しています。キッチン横には2階にあるこども部屋へ行くために必ず通らなければならない階段が配置され、こどもたちの様子をうかがい、そして家族同士がコミュニケーションをとれるよう意図されています。
リビング横に配置された小上がりの和室。やはり畳スペースは落ち着ける空間ですよね。シンプルでモダンな印象に仕上げられているのでLDKスペースともよく調和しています。また床下、階段下は収納になっており、スペースがうまく活用されています。
バルコニーは南側に面して配置され、日当たりの良い心地の良い空間となっています。バルコニーの設置はクライアントの強い要望でもありました。そこで、床面は防水層が必要の無い板を敷き渡したスノコ状とし、片持ち式の梁でバルコニーを受ける事で防水層、バルコニーを受ける柱とそれを受ける基礎が省略可能となりました。この設計によっておよそ20数万円程度の節約ができたそうです。工費節約のためもありこのデザインとなったわけですが、結果的にはこの家の個性づける重要なデザイン要素となっていますよね。
2階にあるこども部屋の様子です。広々としたバルコニーに面しており、日当たりも抜群です。屋根の形状を表しにした高い天井で開放感があります。この家が竣工した際には3人のこどもはまだ小さかったため、共用の部屋としてオープンスペースが採用されました。
竣工から7年後、こども達の成長に合わせてロフトが増設されました。ロフトはスペースを有効活用できますし、その秘密基地のような空間はこども部屋にぴったりですよね。
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